PS4 Caligula Overdose カリギュラ オーバードーズ ゲームレビュー【評価・感想】

記入 2019/08/20 編集 なし


作りは良いが、おすすめするには決め手に欠けるゲーム

レビュー時の総プレイ時間:50時間程度
レビュー時のクリア状況:通しでストーリー1回クリア、攻略サイトは見てません



公式サイト 『Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ』ティザーサイト
開発 株式会社ヒストリア
販売 フリュー株式会社
発売日 2018/5/17
CERO 「C」15歳以上対象

おすすめ度 ★★★★★ もう少し、あとちょっといいところがあれば…
内容・ストーリー ★★★★★ ストーリーは好みが分かれそう
グラフィック ★★★★ Vita版よりも進化
音楽・サウンド ★★★★★ 音楽は凝っている。不満なし
操作性 ★★★★ 悪くはないがもう少し洗練してほしかった
やり込み度 ★★★★★ やり込み要素は満載。でも飽きる
総合評価 20/30 好みが分かれるゲーム


ストーリー

バーチャルアイドルのミュウが作り出した仮想空間「メビウス」。この仮想空間には、現実世界でトラウマを抱えた者たちが、現実を忘れて高校生として暮らしている。しかし、ここはあくまで空想の世界。現実ではないことに気づいた主人公たち(帰宅部)は、ミュウを説得して現実に帰る方法を探すこととなった。

プレイヤーは帰宅部の部員となり、帰宅部の仲間たちと現実世界への帰還を目指します。現実世界へ帰るにはミュウを説得しなければなりません。しかし、ミュウの周りには現実世界へ帰りたくないと願う「オスティナートの楽士」たちがおり、この楽師たちが帰宅部の行動を阻んできます。楽士たちを倒し、ミュウを説得し、現実世界へ戻る、これがこのゲームの目的です。

また、主人公を含む登場人物全員が現実世界で何らかのトラウマを抱えています。主要キャラクターには個別シナリオが用意されているので、このシナリオを各々クリアし、トラウマを克服していくことも重要なポイントになっています。

ストーリーは面白くなるまで我慢すべし

上で少し触れた通り、このゲームはバーチャルアイドルやDTM、〇〇P(プロデューサー)など若者文化を題材にした作品になります。人によってはこの題材が合わなくて、「寒く」感じてしまうかもしれません。しかし、それだけでプレイを止めてしまうのは時期尚早です。このゲームの面白いところは、メビウスに閉じ込められた人間達が持つ、隠されたトラウマ(秘密)を解き明かすところにあります。よって、各キャラの秘密がわかってくるまでは、とりあえずプレイしてみてほしいです。具体的には、個人シナリオが始まるまで、ですかね。そこまでプレイして、やっぱり自分には合わないと感じるのであれば、プレイを止めてしまった方がいいかと思います。

戦闘システムは凝っているが、少しテンポが悪い

戦闘システムは少し変わっています。プレイヤーは1ターンでキャラの行動を3連続で指定できます。攻撃技→移動→攻撃技といった感じです。プレイヤーは未来予知を使うことが出来るので、攻撃技を組み合わせてコンボを作ることもできます(敵を空中に吹っ飛ばしてから、空中にいる敵を狙撃する、など)。さらに戦闘に参加できるキャラが2体以上いる場合は、各々行動を指定していきます。各キャラの行動表と未来予知を駆使して、全員の技を上手く繋げていくことが重要になります。コンボを考える楽しさ、繋がったときの爽快さが売りのシステムといえるでしょう。

このように凝った戦闘システムではあるのですが、各々のキャラの行動を3回ずつ指定する必要があるため、戦闘のテンポは悪いです。主人公以外のキャラの行動を設定してくれるオート機能もありますが、AIが弱いのか、効率的には戦えません。よって、レベルあげや雑魚狩りをするときはストレスを感じてしまうかもしれません。

また、戦闘の難易度ですが、Normalモードは歯ごたえがありませんでした。レベル上げをせずともラスボスに勝てるくらいのレベルです。実際にゲームオーバーになったのは序盤の1回だけで、その後はあっさりとクリアしてしまいました。歯ごたえのある戦闘を望む方は、最初からHardモードでプレイしてはいかがでしょうか。

音楽は〇、グラフィックも綺麗

バーチャルアイドルを題材としているだけあって、音楽には凝っています。演出も凝っていて、マップ散策時にはインストルメンタルなんですが、戦闘時は歌ありに切り替わって戦闘を盛り上げてくれます。ほんとに滑らかに切り替わるので、技術力すげーと思いました。

グラフィックはオーバードーズになって進化しています。アニメーションシーンは1から作り直したシーンもあるようなので、無印版をプレイした方ももう一度楽しめます。また、オープンワールドまではいかないですが、広大なマップにも注目。各マップの描写は素晴らしく、世界観が上手く表現されています。

やり込み要素は多いが、飽きてしまう

このゲーム、やり込み要素はたくさんあります。例えば、友達のトラウマ解消。登場人物(友達)はみなトラウマを抱えており、これを解消することで、主人公の能力が解放されたり、パッシブスキルを取得することが出来ます。しかし、友達は100人以上おり、すべてのトラウマを解消するにはそれ相応の時間が必要となります。

また、マップ各所にちりばめられた不思議な痕跡、ワールドリワードを集めるのもやり込み要素の一つかと思います。ただ、こちらも数が多く、マップも広大で探すのが面倒になって、私は途中で飽きてしまいました。

終盤のストーリー、展開はイマイチ?

ネタバレになるので、深くは書かないですが、個人的にはオチが弱いと感じました。ストーリー分岐もあるのですが、どれも終わり方が釈然としません。もう少し後日談をわかりやすく描く、もしくはあっさりと済ませてくれた方が、もやもやせずに済んだのかなと思います。人によってはVita版(無印)のエンディングの方がわかりやすい、という意見もあるようです。また、終盤の展開もマンネリというかなんというか、もうひとひねりがあった方が楽しめたのかなと思います。

逆に登場人物の個別シナリオは、種類・内容共に充実していると思います。各キャラが本当はどういった人物なのかがわかることで、本筋のストーリーにも興味が湧いてきます。各々のキャラ設定がしっかりしているとも言えますが、本筋のストーリーでそこを活かしきれているかは微妙なところです。

まとめ

非常に凝ったゲームだとは思います。しかし、何かが足りない。ストーリー、やり込み要素、どれをとっても、このゲームにハマっちゃうほどの魅力はありませんでした。1度クリアしたら満足、といった感じでしょうか。面白いのは面白いのですが…。1度プレイすると真相もだいたいわかってしまうので、別に完全クリアしなくてもいいや、とも思ってしまいました。興味のある方は実際に一度プレイしてみるのをお勧めします。






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